構造と原理
図1に示すように磁界観察シートは透明PETフィルムの裏面にカプセルインク層、黒色インク層を印刷した三層構造になっています。中央のカプセルインク層は直径約80μmのマイクロカプセルに扁平磁性粉とオイルを封入したもので、この扁平磁性粉が外部から与えられた磁場に沿って並ぶことから、最下層の黒色インクの見え方が変化し、結果としてシートに載せた物の磁気パターンがシートに記録されることになります。
垂直磁場
シートを上から下に貫くような垂直の磁場が与えられるとマイクロカプセル内の扁平磁性粉はシートに対して垂直に立ち、最下層の黒い色が表面のPETフィルムを通して見えるようになります(図2)。このため強い磁場ではより黒く、弱い箇所では淡い色の変化がみられます。
水平磁場
シートの水平方向から磁場が与えられると、マイクロカプセル内の扁平磁性粉も水平になるため、最下層の黒いインクを覆い隠すようになり、シートはより明るい色に変化します(図3)。これが「色もどし」の原理でもあります。